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保育の中での「Win-Win」ってなんだろう?
「Win-Win(ウィン・ウィン)」は、7つの習慣の第4の習慣。
どちらかが我慢するのではなく、お互いが満足できる方法を探す姿勢のことです。
子ども同士の関係や、職員間の協力、保護者とのやりとり……
保育の現場では、立場や価値観の違う人と関わる場面がたくさんあります。
そんな中で「自分も相手も大切にする」という意識をもつことは、
保育士自身の心を守ることにも、保育の質を高めることにもつながります。
子どもの“やりたい”と安全を両立する
子ども達の「やりたい!」という気持ちはとても大切。
でも時には、それが危険を伴うこともあります。
例えば、工具を使った制作や繊細な生き物を扱う時。
私はクラスで「しっかりルールを守ること」を約束にしていました。
- 保育士 → 安全に質の高い保育ができる
- 子ども → 自分の“やりたい”が叶えられる
この関係は、まさにWin-Win。
ルールを守れば願いが叶う――そんな経験が、「叶える力」を育てていくと感じています。
参加したくない子も“応援”という形で関わる
集団活動に参加することが難しい子(A児)がいた時、私は「応援役」として関わってもらっていました。
- A児 → 納得できる形で活動に参加できる
- 他の子 → 応援されて嬉しい、頑張る気持ちが湧く
その子なりの関わり方を尊重することで、無理に合わせるのではなく、自然と集団の中に居場所が生まれていきました。
職員同士の助け合いと、得意を活かす工夫
複数担任の場合、負担の偏りや「これ誰がやるの?」という曖昧さがストレスの原因になることも。
そこで私は、次のような工夫をしていました。
● タスクの“見える化”
ホワイトボードでお互いのタスクを共有。
少し時間が空いた時に「どこを手伝おうか」がわかりやすく、声をかけ合いやすくなります。
● 得意を活かして園全体の力に
保育士も、得意不得意がそれぞれありますよね。私はリトミックが得意なので、園内研修で「こんなことを意識しているよ」と他の先生に共有していました。
- 自分 → 活動がやりやすくなる
- 他職員 → 新しい知識を得られる
「できること」を共有し合うことは、お互いを尊重し合う関係の第一歩だと思います。
保護者との関係も“Win-Win”で
保護者との関係でも、Win-Winの姿勢は大切です。
意見の食い違いや不満が生まれるのは、多くの場合「伝わっていない」ことが原因。
私は、保護者会などでなぜ園のルールが必要なのか、丁寧に伝えることを大事にしていました。
「守ってください」と伝えるのではなく、「お互いが安心できるために必要なんです」と共有する。
そうすることで、関係が対立ではなく“協力”に変わっていくように感じます。
おわりに
“Win-Win”を考えることは、全員が同じように満足することを目指す、というよりも
「自分も相手も大切にしたい」という姿勢を持ち続けることなのだと思います。
子ども、保護者、職員、それぞれの願いや立場を理解しながら、
保育の中でできる“ちょっとした工夫”を積み重ねていけたらいいですね。
第5の習慣の記事はこちら▽

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