誤飲対策・保育中の安全管理まとめ|乳幼児向け

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誤飲事故防止の安全対策をまとめた記事のアイキャッチ 危険への備え・安全対策

乳幼児期は何でも口に入れてしまう時期。身近なものが「命に関わる危険」になることもあります。保育中の誤飲事故を未然に防ぐためには、日頃の環境づくりや職員・保護者の意識が欠かせません。この記事では、誤飲対策の基本保育中の安全管理のポイントをわかりやすくまとめました。園でも家庭でもすぐに取り入れられる実践的な内容です。

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誤飲とは? 何が危険なのか

誤飲とは、食べ物以外のものを子どもが誤って飲み込んでしまうことです。窒息・内臓損傷・中毒の危険があり、特に気道(約1.5cm〜2cm)を塞ぐサイズの物体が危険です。

危険な物の一例

危険物危険性
ボタン電池食道や胃に穴が開く恐れ(内部化学反応による)
マグネット腸内でくっつき腸閉塞・壊死の恐れ
硬貨・ビー玉窒息・腸閉塞
ピーナッツ気管支に詰まりやすい(油分で除去しづらい)
薬品・洗剤化学やけど・中毒

消費者庁「事故情報データバンク」より抜粋しています。

実際に起きた誤飲事故の事例

事例①:ボタン電池の誤飲(2歳児)

2歳の子どもがリモコンのボタン電池を飲み込み、気づかないまま数時間経過。夜間に嘔吐し、救急搬送。食道に穴が開き、数週間の入院と手術が必要になった。
リモコンやおもちゃの電池蓋の固定が不十分だったことが原因

事例②:ビー玉の誤飲による窒息(1歳児)

家庭で遊んでいた1歳児が兄のおもちゃの中から落ちたビー玉を飲み込み、呼吸困難に。保護者が119番通報し、搬送後に異物除去。
年齢の違う兄弟姉妹のおもちゃの管理も必要という教訓に。


NITE:製品事故情報「電池・マグネット誤飲」より抜粋しています。

誤飲チェッカーで確認!安全な玩具の目安

誤飲チェッカー(誤飲防止シリンダー)とは?

消費者庁や米国CPSCが推奨する安全基準。

  • 直径:3.17cm
  • 深さ:5.7cm
    これより小さいもの=飲み込む可能性があると判定されます。

【参照】子どもの事故防止教材 「誤飲チェッカー」「誤飲防止ルーラー」 | 一般社団法人 日本家族計画協会

✅ 家庭での代用方法:トイレットペーパーの芯(直径約4cm)を使用し、そこにすっぽり入る物は要注意。

年齢別・誤飲リスクと予防ポイント

年齢特徴主なリスク対応
0~1歳手にしたものを何でも口に入れる床のゴミ・布くず・紙など高さ30cm以下の空間を重点的に清掃
1~2歳歩きながら物を口にする小物・お菓子の包みなど目線にある物の撤去・玩具の年齢表示確認
2~3歳少し話せるが判断力が不十分錠剤・洗剤・お金扉のロック・薬品保管・日々の声かけ

保育・家庭でできる誤飲対策

環境整備

  • 保育室・家庭内は誤飲チェッカーに通る物がないかを定期的にチェック
  • おもちゃのパーツ欠けに注意(点検+年齢表記のあるものを)
  • 電池や磁石を使う製品は、電池の蓋にネジロックがあるか確認

日々の保育・家庭での工夫

  • 子どもの行動範囲に「危険ゾーン」を作らない
  • 離乳食やおやつは座って食べる習慣を徹底
  • 子どもが静かにしている時ほど注意(何かに集中=誤飲中の可能性)

誤飲事故が起きたときの正しい対応

◆窒息が疑われる場合

  • 咳・声が出ている → 119番通報しつつ様子を見る
  • 呼吸停止・意識喪失 → ハイムリック法(年齢別)や胸骨圧迫を実施
    • 乳児(1歳未満):背部叩打法+胸部圧迫
    • 幼児:腹部突き上げ法(※医師に指導を受けた上で)

【参照】さらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
 子どもの一次救命処置|日本医師会 救急蘇生法

◆中毒・化学物質の場合

  • 原因物の特定(パッケージや量)
  • 無理に吐かせない
  • すぐに医療機関 or 中毒110番へ連絡(全国どこでも利用可)

【参照】中毒110番・電話サ-ビス (一般専用) | 中毒110番・電話サ-ビス | 公益財団法人 日本中毒情報センター

誤飲以外の安全管理:室内・戸外の注意点

室内

  • 家具の角:コーナーガード
  • 扉や引き出し:チャイルドロック
  • 電源:コンセントカバー
  • 床:落ちている紙くず・タグなどを毎日点検

戸外

  • 公園での木の実・砂・石拾い食い
  • 遊具に手を挟む事故(点検・安全使用)
  • ベビーカーや遊具での落下事故に注意

まとめ:誤飲対策は“目に見えない備え”から

誤飲事故は「一瞬の油断」で起きてしまいます。ですが、「起きてから」では遅いのが現実です。誤飲チェッカーの活用や実際の事故からの学びを通じて、保育現場や家庭で“目に見えない備え”を日常的に行うことが命を守るカギとなります。

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