夏は高温多湿でウイルスや細菌が繁殖しやすく、子どもたちの間で感染症が広がりやすい季節です。特に保育園や幼稚園などの集団生活では、あっという間に広がってしまうことも。この記事では、夏に多い代表的な感染症とその特徴、予防法などを分かりやすくまとめました。
夏に流行しやすい感染症とは?
夏は汗をかくことで皮膚が荒れたり、冷たい水や食べ物をとることで口や喉が弱ったりと、子どもの体にとって感染症にかかりやすい条件がそろいます。
発熱や発疹、目の充血などの症状が出る病気も多く、保護者の方にとっては「ただの風邪かな?」「登園しても大丈夫?」と判断に迷うこともあるでしょう。
早めに気づいて対処することで、重症化や感染拡大を防ぐことができます。
主な夏の感染症とその特徴
以下では、夏に特に多く見られる感染症を紹介します。それぞれの症状や登園の目安、予防法についてまとめました。
プール熱(咽頭結膜熱)
主な症状
・高熱(39度前後)
・のどの痛み
・目の充血や目やに
感染経路
飛沫感染・接触感染・プールの水を介して広がります。
登園の目安
解熱した後、2日間はお休み(学校保健安全法で定められています)。
予防のポイント
・手洗い・うがいの徹底
・タオルや水筒の共用を避ける
・目をこすらないようにする
ヘルパンギーナ
主な症状
・突然の高熱(38〜40度)
・喉の奥に水ぶくれや口内炎
・食欲低下、機嫌が悪くなる
感染経路
飛沫感染・接触感染
登園の目安
発熱や喉の痛みなどの症状が治まれば登園可能(園によって判断が異なる場合があります)
予防のポイント
・手洗い・うがいを習慣に
・十分な睡眠と水分補給で免疫力を保つ
手足口病
主な症状
・手のひら、足の裏、口の中に発疹や水ぶくれ
・軽い発熱やだるさ
・口の痛みで食欲が落ちることも
感染経路
接触感染・飛沫感染・便の中のウイルスから
登園の目安
発熱がなく、食事や排泄が普段通りできるようになれば登園可能(園の方針によって異なります)
予防のポイント
・オムツ交換後の手洗いを徹底
・タオルの共用を避ける
・排便後のウイルス排出は長く続くため注意
皮膚や目の感染症にも注意
夏は汗や虫刺されが増えることで、皮膚や目に関する感染症も多くなります。
とびひ(伝染性膿痂疹)
主な症状
・かいたところが水ぶくれやかさぶたに
・広がるスピードが早く、かゆみが強い
感染経路
接触感染(ひっかいた手から他の部位や他の子に広がる)
登園の目安
医師の判断によりますが、患部を覆って感染の恐れがなければ登園可とされることが多いです。
予防のポイント
・虫刺されを早めに処置する
・爪を短く切っておく
・患部をガーゼで覆う
・タオルや寝具の共用を避ける
流行性角結膜炎(流行り目)
主な症状
・目の充血、かゆみ、目やに
・涙が出る、まぶたが腫れる
・発熱やリンパの腫れを伴うことも
感染経路
接触感染(涙や目やにに触れた手や物を通して)
登園の目安
感染力が非常に強いため、医師の許可が出るまで登園は控えます。
予防のポイント
・目をこすらない
・タオルの共用を避ける
・感染した子どものタオルや枕カバーをしっかり洗濯・消毒
保育園や家庭でできる予防の工夫
・毎朝の健康観察を丁寧に行う
・手洗い・うがいを習慣づける(歌や手遊びと組み合わせると楽しく)
・症状がある子の早めの受診
・園内ではタオル・コップの個人使用を徹底
・プール活動の中止や制限の判断も大切
まとめ
夏に流行する感染症は、発熱や皮膚症状など、子どもにとってもつらいものが多く、まわりのお友だちにも広がりやすいのが特徴です。
毎日の観察と、早めの対応・受診・適切な登園判断が、重症化と感染拡大を防ぎます。保育園と家庭が連携しながら、子どもたちの健康を守っていきたいですね。
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