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夏の保育で特に注意したいのが熱中症です。特に乳幼児は体温調節機能が未熟で、大人よりもリスクが高くなります。
この記事では、暑さ指数(WBGT)を活用した対策や、室内外の具体的な注意点・便利グッズ・実践的な工夫・万が一の対応方法まで、現場で即活用できる内容をまとめました。
戸外遊びの判断に役立つ「暑さ指数(WBGT)」とは?
暑さ指数(WBGT)とは、気温・湿度・輻射熱(日射など)を総合的に判断し、熱中症の危険度を数値化した指標です。
暑さ指数の目安
WBGT値(暑さ指数) | 危険度 | 保育の対応例 |
---|---|---|
28〜31℃ | 警戒 | 外遊びは原則中止。室内で静かに過ごす。 |
25〜28℃ | 注意 | 戸外活動は短時間・日陰で行う。頻繁な休憩・水分補給を。 |
25℃未満 | 安全ゾーン | 戸外遊びは可能。こまめな水分補給と観察は継続。 |
測定のポイント
環境省や気象庁の暑さ指数情報サイトやアプリで地域の目安を確認できます。
▼環境省「熱中症予防情報サイト」
https://www.wbgt.env.go.jp/
園庭の日陰部分にWBGT計(携帯型もあり)を設置して測定も◎(PR)
WBGT計を導入するメリット
遊べる場所を部分ごとにチェックすることで、暑い時期でも戸外遊びを取り入れられる機会が増えます。今後も温暖化が予想される中、安全に配慮された環境で暑さに慣れておくことは大切だと考えられます。
- 砂場や芝など、地面の種類でも数値は変動するため、部分ごとのチェックを行う
- 日陰などで30を下回る場合、短時間での戸外遊びが検討可能
暑さ指数を下げるための工夫
- 園庭への打ち水:水をまくことで地表温度を下げ、輻射熱の軽減に
- 日除けシェード・タープの設置:子どもたちが遊べる日陰スペースを確保
- 水分補給タイムの設定:遊びを中断して全体で給水の時間をとる
- 涼しさを感じる小道具の活用:うちわ・冷感タオルなど
実際に保育現場で効果的だった方法(実体験)
筆者が実際に行っていた対策の一つに、「水入り霧吹きの活用」があります。
水の霧吹き使用タイミング(夏の外遊び時)
- 外に出る前(出発前のクールダウン)
- 公園に着いた時(熱気を感じる前に一吹き)
- 水分補給の前(冷却)
- 帰園前(少し落ち着かせるタイミング)
- 帰園時(園内に戻る直前のリフレッシュ)
▶︎子どもたちは「気持ちいい〜!」と喜びながら受けてくれ、遊びの前後の切り替えにもなりました。
✅ 霧吹き使用時の注意点
- 顔にはかけないようにすること(誤って目や口に入るのを防ぐため)
- 使用するのは水道水でOK(冷水は避け、常温の水を推奨)
- 1人あたり2~3プッシュ程度が目安(かけすぎると体が冷えすぎてしまう恐れがあります)
子どもたちの様子をよく見ながら、無理のない範囲で取り入れてみてください。
熱中症の初期症状と対処法(もしものときに備えて)
初期症状の例
- 顔が赤く火照っている
- ぼーっとしている、反応が鈍い
- 汗をかいていない or 異常に大量の汗
- 手足が冷たくなっている
- 水分を取ろうとしない/ぐったりしている
対応手順(園内マニュアルに準じて)
- すぐに涼しい場所へ移動(室内または日陰)
- 衣服をゆるめる/風を送る
- 冷やすポイントを押さえる:首・わき・太ももの付け根など
- 水分を与える(経口補水液が望ましい)
- 改善しなければ速やかに救急車を手配
- 保護者に連絡し、経過と処置を伝える
※救急搬送時にはいつからどんな症状か/どのような処置をしたかを記録しておくと医療現場でも役立ちます。特に熱中症が疑われる場合には、体温や意識の状態、発汗の様子などを簡潔に記録できる専用の記録用紙を用意しておくと安心です。
▼こちらに熱中症に特化した簡易記録フォーマット(PDF)を掲載していますので、必要に応じて印刷・活用してください。
室内での熱中症対策も重要
- 室温は25〜28℃前後、湿度は50〜60%を目安にエアコンを使用
- 扇風機やサーキュレーターで空気を循環
- 室内でも水分補給は定時で実施
- 午睡中は体温調整しやすい軽装+薄手タオルケットなどを使用
保育士の健康管理と保護者との連携も忘れずに
- 保育士自身も水分・塩分補給、十分な睡眠を
- 朝の登園時に子どもの様子(顔色・体温・汗の量)をしっかり確認
- 「今日は暑さ指数が高めなので外遊びは控えます」と保護者に伝えることで信頼感アップ
おすすめ便利グッズ(保育園向け)
グッズ名 | 活用例 |
---|---|
携帯型WBGT計 | 園庭や散歩先で暑さ指数を測定 |
クールタオル(PR) | 首に巻いて涼しさをキープ。冷感素材がおすすめ |
日除けテント | 園庭・公園での日陰スペースに |
霧吹きボトル | 水スプレーで楽しく涼しく。霧状がポイント |
まとめ
熱中症対策は「暑さを避ける」「こまめに冷やす」「子どもの変化に気づく」この3点が鍵です。
毎日の保育の中で、暑さ指数を基にした判断と、小さな工夫の積み重ねで、子どもたちを守ることができます。現場に合わせた対策を取り入れて、元気に夏を乗り切りましょう!
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