「水って冷たい!」「なんで止まったの?」
そんな子どもたちのつぶやきに、ワクワクが詰まっています。
水遊びに慣れてきた夏の時期は、ちょっとだけ「科学の視点」を加えた遊びを取り入れてみるチャンス。
身近な材料を使った簡単な“水の不思議実験”で、子どもたちの「なんで?」「やってみたい!」を引き出しましょう。
保育者向けに、
・対象年齢順
・活動のねらいや導入例
・必要な材料
・成功させるコツ
・子どもへの声かけ
・不思議の正体(やさしい解説つき)
まで、1つずつ丁寧にご紹介します。
実験の前に|おすすめ絵本で“水の世界”へ(PR)
活動の導入に、絵本の読み聞かせをプラスするのもおすすめです。
水の性質や流れを、やさしく・楽しく伝えてくれる絵本を年齢別に紹介します。
年齢 | 絵本タイトル | 内容のポイント |
---|---|---|
0〜2歳 | 『みず ちゃぽん』(アリス館) | 水の音や動きに親しめる、擬音語たっぷりの一冊。感覚遊びの導入に◎ |
3〜4歳 | 『じゃぐちをあけると』(福音館書店) | 蛇口をひねるとどうなる?流れる水への興味を広げられる絵本。 |
5〜6歳 | 『しずくのぼうけん』(福音館書店) | 一滴のしずくがたどる“水の旅”を描いた科学的ファンタジー。実験への期待が高まります。 |
このあとは、対象年齢順に4つの実験アイデアをご紹介していきます。
楽しく・安全に、科学の“入口”を体験してみましょう!
【0〜2歳】「とまった?」ふしぎシャワー
ねらい
・水の出たり止まったりに注目し、驚きや面白さを感じる
・繰り返しを楽しみながら集中力を育む
準備物
・500mlのペットボトル
・水
・キリ(大人が使用)
所要時間
10〜15分(制作含む)
事前準備
ペットボトルの底近くにキリで数か所、小さな穴をあけておきます。
手順
- 子どもたちに、空のペットボトルを見せながら「何が出てくるかな?」と声をかける。
- 水を入れると底からシャーッと水が出る。
- フタをギュッと閉めると…水が止まる!
- またフタを開けると、再び水が出てくる。
- 「もう1回やってみよう!」と繰り返しを楽しむ。
子どもへの声かけ
「わあ、水が止まったね!」
「なんで出なくなっちゃったのかな?」
不思議の正体(現象名)
ペットボトル内の気圧と真空状態の関係で、水の流れが変化します。(大気圧と水圧の関係)
【3〜4歳】氷がくっついた!?塩で“つりざお”
ねらい
・氷が“つれる”という意外性を体験し、自然の変化に興味をもつ
・手指の操作や集中力を養う
準備物
・コップやボウル
・水
・氷(数個)
・たこ糸や毛糸
・塩(食塩)
所要時間
15〜20分(氷の準備を除く)
手順
- コップに水と氷を入れます。
- 氷に糸を乗せ、上から塩を少しふりかける。
- そのまま10秒ほど待つと…
- 糸を持ち上げると、氷がくっついてつり上がる!
子どもへの声かけ
「わっ!くっついた!」「どうして氷が持ち上がるの?」
「ちょっと待つのがポイントだったね」
不思議の正体(現象名)
塩によって氷が一部だけ溶けてから再凍結することで、糸がくっつきます。(凝固点降下と再凍結)
【4〜5歳】水がきれいになった!石と砂で“ろ過あそび”
ねらい
・水が「きれいになる」様子を観察し、自然のしくみに気づく
・素材の違いや流れを体験的に理解する
準備物
・2Lペットボトル(上半分をカットして使う)
・ガーゼやコーヒーフィルター
・砂、小石、活性炭(なければ土と石だけでもOK)
・濁らせた水(泥水)
所要時間
20〜30分(準備含む)
手順
- ペットボトルを逆さにして、ガーゼ→小石→砂の順で層を作る。
- 上から泥水を注いでいくと…
- 下からゆっくり、きれいな水が出てくる!
- 「うわ〜!にごってたのに透明になった!」と感動。
子どもへの声かけ
「石や砂、どれが水をきれいにしてくれたのかな?」
「川の水もこうやってきれいになってるのかもね」
不思議の正体(現象名)
水が通るときに粒の大きなごみを取り除く仕組み。これは自然界のろ過作用(フィルター効果)。
【5〜6歳】水の“くっつき”パワー!コップで紙が落ちない?
ねらい
・見えない力(水の表面張力や気圧)に気づく
・実験を通して考える力や言葉で伝える力を育てる
準備物
・水を入れたコップ(できればガラス製)
・厚紙やハガキサイズの紙(濡れてもよいもの)
所要時間
10分程度
手順
- 水をたっぷり入れたコップに、紙をピタッとふたをする。
- そのままコップをひっくり返すと…
- 紙が落ちない!水もこぼれない!
子どもへの声かけ
「えっ!?落ちないの?どうして?」
「本当に落ちないか、そーっと指を離してみようか」
不思議の正体(現象名)
紙の外側に働く空気の圧力(大気圧)が、水を支えているため。(大気圧の力)
おわりに|保育に“ちょっとだけ科学”を
子どもたちの「やってみたい!」は、好奇心のタネです。
大人が難しい言葉を教え込まなくても、遊びの中でたっぷり感じたことは、いつか学びの土台になります。
保育者は「少しだけ原理を知っておく」ことで、問いに対する安心感や、保護者とのやりとりにもつながります。
水の不思議を楽しむ時間、ぜひ日常に取り入れてみてください。
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▶子どもと楽しむ水の不思議実験|第2弾!もっと発見、おもしろ科学あそび
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