「水が動いた!」「あれ、混ざらないね?」
そんな子どもたちの発見には、“科学の芽”がいっぱい詰まっています。
水遊びが盛り上がるこの季節に、ちょっとだけ“理科のタネ”をまいた遊びを取り入れてみませんか?
第2弾では、より“動き”や“色の変化”が楽しい実験を中心にご紹介。
保育者向けに、
- 対象年齢順
- 活動のねらいや導入のコツ
- 準備物・安全のポイント
- 子どもへの声かけ例
- 不思議の正体(やさしい解説)
まで丁寧にお伝えします。
【3〜4歳】にじんだ!まざった?コーヒーフィルターのにじみ絵
ねらい
- 色がにじむ様子を楽しみ、変化に気づく力を育てる
- 表現することへの興味や創造性を広げる
準備物
- コーヒーフィルター(白無地)
- 水性ペン(カラフルなもの)
- 水
- スポイト(またはストロー、霧吹きでも代用可)
- 受け皿(またはお盆など)
所要時間
10〜15分
手順
- フィルターを1人1枚ずつ配り、好きな色で模様を描く。
※中央寄りに描くと効果がわかりやすい - お皿の上にフィルターを置き、水をスポイトで数滴たらす。
- 水ににじんで、色がじわ~っと広がっていく様子を観察する。
- 色の変化や混ざり方を楽しんだあと、乾かして飾っても◎
子どもへの声かけ
- 「あれ?色がにじんできたよ」
- 「水が色を運んでるみたいだね」
- 「どんな模様になるかな?」
不思議の正体(現象名)
コーヒーフィルターが水を吸い上げる毛細管現象により、水と一緒に色素が広がることでにじみが生まれます。色が混ざる様子から色彩感覚も養えます。
【4〜5歳】ぶくぶくマグマ!水と油の“ふしぎ火山”
ねらい
- 水と油の違いに気づき、観察する力を育てる
- 視覚的な変化を楽しみながら、興味を深める
準備物
- ペットボトルまたは透明のコップ(中が見えるもの)
- 水
- サラダ油
- 食紅やカラーインク(赤・青など)
- 発泡タブレット(バブやエフバイファイブなど)
所要時間
15分程度
手順
- 容器の半分ほどまで水を入れる。
- その上から、油をゆっくり注いで上層になるように重ねる。
- 食紅を数滴落とすと、水の層まで沈んでいくのを確認。
- 最後に発泡タブレットを1片入れると…
→ ぶくぶく泡と一緒に色水がマグマのように浮かび上がる!
子どもへの声かけ
- 「あれ?水と油、まざらないね」
- 「あっ、色が下まで落ちたよ!」
- 「わあ!マグマみたいにあがってきた!」
不思議の正体(現象名)
水と油は比重(重さ)が違うため、分離します。発泡タブレットが水と反応して発生した二酸化炭素の泡が色水を浮かせ、マグマのような動きが生まれます。
【5〜6歳】スイーッと走る!水の上の“せんざい船”
ねらい
- 洗剤の力に気づき、水の動きや反応を体験する
- 自分の力で動くおもしろさを味わう
準備物
- 牛乳パックや厚紙(切って使う)
- はさみ
- 洗剤(食器用)
- 水を張ったタライやバット
所要時間
10〜15分(制作含む)
手順
- 厚紙で細長い船の形を作る(後ろに小さな切れ込みを入れるのがポイント)。
- 水を張った容器の上にそっと船を浮かべる。
- 船の切れ込み部分に、ほんの少しだけ洗剤を垂らす。
- すると…スイーッ!と水の上を走り出す!
子どもへの声かけ
- 「なんで動いたんだろう?」
- 「洗剤が水を押したのかも!」
- 「もう1回やってみたいね」
不思議の正体(現象名)
洗剤が水に広がるとき、表面張力が変化し、水が動きます。その力を利用して船が進むしくみです(表面張力の変化)。
おわりに|子どもたちの「なんで?」が未来の芽に
「水と油は仲良しじゃないの?」「洗剤って力持ちなんだね!」
そんな発見を、子どもたちは全身で感じ取ります。
保育の中で “ちょっとだけ科学” を取り入れることは、知識を教えるのではなく、「不思議だね」と一緒に立ち止まること。
日々の遊びの中にある、たくさんの“学びの入口”。
大人も一緒に楽しみながら、子どもたちの「見たい」「知りたい」「やってみたい」を応援していきましょう。
第1弾の記事もぜひご覧ください▼
子どもと楽しむ水の不思議実験4選|保育にぴったり!簡単で面白い科学あそび
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