はじめに:夏の個別配慮で特に悩ましい「水分補給」
夏場の保育では、熱中症予防として水分補給が欠かせません。しかし実際には、
- 「遊びに夢中で飲みたがらない」
- 「そもそもあまり飲む習慣がない」
- 「一口しか飲まずに終わってしまう」
など、子どもによってさまざまな“飲まない理由”があり、保育者を悩ませることも多いです。
クラス会議でも「どうしてる?」と話題になるものの、解決策が見つかりにくいことも。
そんな時に役立つのが、「チームでの情報共有」と「ちょっとした工夫」です。
情報共有がカギ:「どの子が、いつ、どれくらい飲めたか」を見える化しよう
安全管理の観点からも、子ども一人ひとりの水分摂取状況を把握することは重要です。
たとえば、こんな共有方法があります:
- クラスのホワイトボードに「水分チェック表」を作成
- 午後の申し送り時に「誰がどんな方法で飲めたか」を簡単に共有
- 散歩や公園後には「どの子が飲めていないか」を他クラスとも連携
「飲んだ量」だけでなく、「どうしたら飲めたか」も共有できると、チーム全体で工夫を蓄積できます。
子どもが“飲みたくなる”工夫いろいろ
子どもが自発的に水分をとるには、「楽しい」「うれしい」と感じられる工夫が効果的です。
実際に使えるアイデア:
- ① ままごとの延長で本物のお茶を提供
ごっこ遊びの一環で、ティータイムのように自然に飲める。食器も本物に近づけると◎ - ② 「じゃんけんに勝ったらお茶がもらえる」ゲーム形式
遊びの中で飲む機会が増える。勝ち負けにこだわらず、全員に順番が回るよう配慮 - ③ 「好きなジュース」という設定でお茶を注ぐ
お茶=おいしくないという先入観を軽減。コップの色を変えるだけでも反応が変わる - ④ 体を動かして“喉の渇き”を感じる工夫
熱中症予防としても効果的。室内でも「走れるコース」をつくってしっかり運動
→ 室温・湿度のチェックも忘れずに
クラス運営のヒント:「個別配慮」をチームで支える
「Aちゃんは冷たい麦茶なら飲めた」
「Bくんはお気に入りのコップじゃないと飲まなかった」
こうした小さな気づきこそ、保育チームの大きな財産です。
- クラス内でメモを残す・共有ボードに書く
- リーダー保育士が全体の傾向を整理し、対応方針をサポート
- 保護者へのフィードバック(「今日は○ml飲めました!」)にもつながります
おわりに:「飲まない子」も、楽しく・安心して飲める環境を
水分補給は、ただ「飲ませる」だけではなく、子ども自身が「飲みたくなる」環境づくりが大切です。
- 無理なく、楽しみながら水分がとれる工夫
- 保育者同士の情報共有で、個別対応の引き出しを増やす
- 子どもが安心できる雰囲気の中での“ちょっとしたひと工夫”
そんな積み重ねが、子どもたちの健やかな夏を支えます。
この記事を読んだ保育者のあなたへ
明日の保育から取り入れられそうな工夫はありましたか?
気づきやアイデアがあれば、ぜひ職員室やクラス内で共有してみてくださいね。
🔹 保護者向けの記事はこちら。家庭での工夫を知りたい保護者への説明にも。
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