室内遊びは、雨の日や猛暑日・寒波などの季節を問わず、保育園における日常の一部です。しかし、「室内だから安全」とは限りません。
実際には、転倒・衝突・誤飲・指挟みなど、室内での事故も多く発生しています。
この記事では、年齢や環境に応じた「室内遊びの安全チェックポイント」を具体的に解説し、日々の安全管理や指導の参考になる内容をご紹介します。
室内遊びで起きやすい事故の種類
子ども家庭庁の「教育・保育施設等における事故報告集計」や消費者庁の事例をもとに、以下のような事故が報告されています。
事故の種類 | 主な内容 | 事例 |
---|---|---|
転倒 | マット・敷物のめくれ、ブロックにつまずく | ブロック遊び中に走り、おでこを打撲 |
衝突 | おもちゃの取り合い・狭い動線でのぶつかり | 室内追いかけっこ中に棚の角へ顔を打つ |
誤飲 | 小さなおもちゃ・紙くず | 製作の紙片を丸めて飲み込む |
指挟み | ドア・引き出し・収納ケース | 棚を開けようとして指を挟む |
落下 | 遊具・椅子・段差 | 椅子に立ち上がってジャンプし転倒 |
年齢別に見るリスクと対策
年齢 | リスクの特徴 | 対策例 |
---|---|---|
0~1歳児 | はいはい・つかまり立ちでの頭部打撲、誤飲 | マットの設置、誤飲チェッカーを用いた物の確認 |
1~2歳児 | 動きが活発になり転倒やぶつかりが多発 | 遊ぶスペースと歩行エリアを分ける |
3~5歳児 | ごっこ遊びでテンションが上がりやすい、周囲への配慮が未熟 | 活動範囲を示すテープやマットで「見える化」 |
遊びごとの安全チェックポイント
ブロック遊び
- 床に広がったブロックで転倒しやすい
- 誤飲の危険があるサイズ(3cm以下)を排除
- 片付けタイミングを明確にする(時間・音など)
ごっこ遊び(キッチン・病院・電車など)
- おもちゃの小物(コイン・お皿など)を定期点検
- ごっこ遊びエリアを限定し、動線を確保
- フェルト・布素材の活用で衝突リスク軽減
リズム・運動あそび
- ジャンプや回転を伴う場合、マットや柔らかい床を使用
- 窓・角・照明に注意(危険物から1.5m以上離す)
- 「1人ずつ交代制」などルールを設定し混雑を防ぐ
製作遊び
- はさみ・のり・クレヨンなどの素材確認(破損・汚損・劣化)
- 小さい紙片の誤飲に注意
- 席の間隔を広めにとり、肘同士がぶつからないよう配慮
室内環境・設備のチェックリスト
項目 | チェックポイント |
---|---|
家具の角 | コーナーガードがついているか |
床・マット | ズレ・めくれがないか、清潔か |
扉・引き出し | 指挟み防止の工夫(クッション・ロック) |
棚・収納 | 倒れ防止の固定がされているか |
玩具 | 年齢に合っているか/破損・欠けがないか |
照明・壁 | 割れ・突起・配線がむき出しでないか |
以下からチェックリストのPDFダウンロードができます。日々の安全管理にご活用ください。(※保育園や家庭でのご利用以外での転用はお控えください。)
保育者の関わりと安全意識
- 子どもに「注意する」ではなく「事故が起きにくい動き方」を伝える
- 指導だけでなく、保育者自身が見せる行動のモデル(座って使う・落ち着いた声)が効果的
- 「遊びが始まる前の安全確認」→「遊びの最中の声かけ」→「終わった後の振り返り」を日課に
まとめ|安全な環境が自由な遊びを生み出す
子どもの自由な発想や活動は、安心できる環境があるからこそ伸びます。
事故を防ぐことは、「制限」ではなく「子どもがのびのび遊べる空間を確保する」ための準備です。
チェックリストや日々の観察を通して、安全な室内環境をつくっていきましょう。
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