幼児期に育てたい基本的な動きの中でも、子どもたちにとって特に楽しく、達成感を得やすいのが「跳ぶ」動作です。
全身の筋力やバランス感覚が求められる「跳ぶ」動きは、遊びを通して自然に育てていくのが理想です。この記事では、保育現場ですぐに取り入れられる「跳ぶ力」を伸ばす運動遊びを7つ紹介します。
「跳ぶ」動作のバリエーションとは?
跳ぶ力を育てるには、同じ動作でも「バリエーション」を意識すると効果的です。
研修などでもよく紹介されるのが、この3つの視点です。
- 強弱:小さく跳ぶ・大きく跳ぶ
- 空間:上下だけでなく、前後左右や斜めへのジャンプ
- タイミング:合図に合わせて跳ぶ、みんなで一緒に跳ぶ、即時反応で跳ぶ など
これらを遊びの中に取り入れることで、子どもたちの身体感覚や運動の幅が広がります。
動物になりきってジャンプ(なりきり遊び)
- 対象年齢:2〜3歳児
- ねらい:
- 跳ぶ動作を身近なものとして親しむ。
- イメージを持って模倣遊びを楽しむ。
- 遊び方:
- 保育者が「カエルさんになってピョン!」「ウサギさんになってぴょんぴょん!」と声をかけ、動物になりきってジャンプする。
- ゆっくりジャンプ、小さくジャンプ、大きくジャンプなど、強弱のバリエーションも入れる。
- 保育者の関わり:
- 一緒になりきって楽しむことで子どもの意欲を引き出す。
- 動きが難しい子にはそっと手を添えて支える。
- 安全のポイント:
- 跳ぶ場所にマットを敷く、周囲に障害物がないように配慮。
段差ジャンプでピョン!
- 対象年齢:2〜5歳児
- ねらい:
- 段差から跳び降りることで勇気とバランス感覚を養う。
- タイミングに合わせて跳ぶ経験をする。
- 遊び方:
- 10〜30cm程度の段差に立ち、みんなで「1・2・3、ピョン!」でジャンプ。
- 歌に合わせても◎:たとえば『カエルのうた』を歌いながら、最後の「クワッ!」でジャンプ。
- 保育者の関わり:
- 最初は手をつないで安心感を与える。
- 着地後に足を止めてみよう!など声かけも。
- 安全のポイント:
- クッションマットを下に敷く。
- 発達や体格に応じて段差の高さを調整。
カンガルーリレー
- 対象年齢:3〜5歳児
- ねらい:
- 両足ジャンプで進む力をつける。
- 遊び方:
- 子どもたちを2チームに分け、両足ジャンプで進むリレーを行う。
- カンガルーになりきるため、バトン代わりにぬいぐるみを渡すのも楽しい。
- 保育者の関わり:
- 応援や拍手で雰囲気づくり。
- 安全のポイント:
- 跳ぶ距離や床の素材に配慮し、無理のない設定にする。
色ジャンプ!
- 対象年齢:2〜4歳児
- ねらい:
- 色の認識、判断力、即時反応の力をつける。
- 遊び方:
- 異なる色のマットを左右の床に並べ、保育者が「赤!」と合図を出したらその色にジャンプ。
- 間違えるとワニ(保育者)に食べられる!など設定を入れると盛り上がる。
- 「敵に見つかってくすぐられるぞ~」などの展開も子どもたちに人気。
- 保育者の関わり:
- テンポの調整、距離の工夫などで飽きずに楽しめる。
- 安全のポイント:
- マットの下に耐震マットを敷くと滑りにくくなり安全性UP。
- 跳ぶ間隔は発達に応じて調整。
言うこと一緒、やること一緒
- 対象年齢:4〜5歳児
- ねらい:
- 空間認識・反応力・言語理解を統合して楽しむ。
- 遊び方:
- 「言うこと一緒、やること一緒」と言ってから、保育者が「みーぎ(右に跳ぶ)」などのお題を出す。
- 子どもは同じ言葉を繰り返しながら、その方向に跳ぶ。
- 慣れてきたら:
- 「言うこと一緒、やること反対」
- 「言うこと反対、やること反対」に挑戦!
- 保育者の関わり:
- お題に緩急をつけて楽しませる。
- 安全のポイント:
- 十分なスペースを確保し、ぶつからないよう間隔を調整。
フープジャンプコース(ドンジャンケンポン風)
- 対象年齢:4〜5歳児
- ねらい:
- リズムよく連続ジャンプを行う力を育てる。
- チームで遊ぶ楽しさを味わう。
- 遊び方:
- 2チームに分かれ、フープで作られた道をお互い一人ずつ進む。
- ジャンプで進み、相手とぶつかったらジャンケン。
- 勝ったらさらに進む、負けたチームは次の人が出発。
- 相手の陣地まで行けたら勝ち。
- 保育者の関わり:
- 関わりを見守りつつ、応援役として子どもを盛り上げる。
- 安全のポイント:
- フープは滑り止め付きにする、または固定する。(フラットフープがおすすめ)
ジャンプ色鬼
- 対象年齢:4〜5歳児
- ねらい:
- 判断力と瞬発力、跳びながらの移動能力を高める。
- 遊び方:
- 鬼が「黄色!」と叫んだらその色の場所にジャンプ。
- ジャンプのみで移動。走るのは禁止。
- 保育者の関わり:
- 鬼を担当したり、色指定にひねりを加えても◎。
- 安全のポイント:
- スペースを広めに取り、衝突を防ぐ。
おわりに
今回紹介した7つの運動遊びは、子どもたちの「跳ぶ」力を自然に伸ばしながら、楽しみもたっぷり味わえるものばかりです。
「強弱・空間・タイミング」といったバリエーションの視点を意識しながら、日々の保育に取り入れてみてくださいね。
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